「タトゥー(刺青)が入っているとMRI検査は受けられない」 医療ドラマやネットの噂で、一度は聞いたことがあるかもしれません。
実際に患者さんからも「ワンポイントのタトゥーなんですが、やっぱりMRIは無理ですか?」と質問されることは非常に多いです。
現役17年目の放射線技師として、現場のリアルな結論から言います。 「絶対にNGではないが、火傷(やけど)のリスクがあるため、病院や医師の判断によって対応が大きく分かれる」というのが現実です。
この記事では、なぜタトゥーがMRIで危険視されるのか、そして実際の医療現場ではどう対応しているのかをプロ目線で分かりやすく解説します。
なぜタトゥーが入っているとMRIで火傷するのか?
MRIは「強力な磁石」と「電磁波」を使って体の断面を撮影する機械です。 実は、タトゥーの染料(インク)の中には「酸化鉄」などの金属成分が含まれていることが多くあります。
この金属成分がMRIの強力な電磁波(RFパルス)に反応すると、インク自体が発熱してしまうのです。電子レンジの中にアルミホイルを入れると火花が出るのと同じような原理だとイメージしてください。 結果として、タトゥーが入っている皮膚の部分が熱を持ち、最悪の場合は水膨れのような重度の火傷を引き起こす危険性があります。
実際の現場ではどう対応している?(絶対NGなのか)
では、タトゥーがある人は一生MRIを受けられないのでしょうか? 実は、最近の染料は金属を含まないものも増えており、ワンポイント程度であればそのまま検査をしてしまうケースもあります。
ただし、現場の放射線技師としては以下の対応をとるのが一般的です。
- 同意書の取得: 「火傷のリスクがあることを理解した上で検査を受ける」という同意書にサインをいただきます。
- アイシング(冷却): タトゥーの部分に保冷剤や濡れタオルを当てて、熱を持たないようにしながら撮影します。
- こまめな確認: 検査中にナースコールを持たせ、「少しでも熱い、ピリピリすると感じたらすぐに握って教えてください」と伝え、常にカメラで監視します。
和彫りなどで広範囲にタトゥーが入っている場合や、頭部(脳)の検査で眉毛のアートメイクが入っている場合などは、リスクが高すぎるため医師の判断で「CT検査に変更」となることも少なくありません。
もしタトゥーが入っていてMRI検査に不安がある方は、自己判断で隠したりせず、必ず事前に主治医や放射線技師に相談してください。私たちは患者さんを安全に検査するのが仕事です。一番安全な方法を一緒に考えますよ!


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